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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻6号

1995年06月発行

研究と報告

摂食障害と診断された後に顕在化した青年期精神分裂病の4症例

著者: 齋藤巨1 松本英夫1 可知佳世子2

所属機関: 1国立療養所天竜病院精神科 2浜松医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.595 - P.602

文献概要

 【抄録】摂食障害と診断された後に精神分裂病が顕在化した4症例を報告し,その摂食障害の特徴,精神分裂病の特徴,両者の関連および摂食障害の位置づけに関して検討を行った。その結果,この4症例はDSM-Ⅲ-Rによる横断的,症候学的診断では摂食障害と診断可能であったが,その病態の本質は摂食障害ではなく,精神分裂病の前駆症状であったと考えられた。また,摂食障害は単一の疾患または症候群ではなく,共通の症状を有する症状群であり,種々の病態水準の集まりであると思われた。結局,摂食障害の表面の症状に惑わされることなく,その病理に共感し,病態水準で患者をとらえて治療を行うことが重要であることを論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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