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研究と報告
強迫笑い,反復言語を呈した脳幹被蓋梗塞
著者: 下村辰雄12
所属機関: 1岩手県立中央病院神経内科 2現,兵庫県立高齢者脳機能研究センター
ページ範囲:P.603 - P.607
文献購入ページに移動 【抄録】強迫泣き笑い,反復言語を呈した脳幹被蓋梗塞の1例を報告した。症例は67歳,女性。両側性核間性眼筋麻痺,振子様眼振,小脳失調,仮性球麻痺,強迫泣き笑いと反復言語を認めた。反復言語は発症3週目より自発言語においてみられ,多くは単語,文節レベルで生じ,不随意に5〜10回続き,次第に速くなるとともに,声が小さくなり,強迫笑いに移行した。発症9週目より強迫笑い,仮性球麻痺,けいれん性・異音性反復言語は軽快し,無力性・同音性反復言語に変化した。CT,MRIでは橋上部被蓋と両側の橋底部,基底核に多発性梗塞を認めた。仮性球麻痺症状を生じた多発性梗塞と脳幹被蓋梗塞により強迫泣き笑い,反復言語が生じたと考えた。
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