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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻6号

1995年06月発行

文献概要

短報

Carbamazepineにより知覚音の半音低下を来した心因反応の1例

著者: 千丈雅徳1

所属機関: 1北海道医療大学看護福祉学部臨床心理専攻

ページ範囲:P.649 - P.651

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■はじめに
 複数の周波数が混在する日常聴く音は,内耳リンパ液に共振する基底膜上での振動によって分節化される。すなわち,基底膜の幅は先端ほど広く堅くなっており,高い周波数の音による振動ほど途中で消滅するために,音の周波数の分析がなされる。その後,脳で再合成され,音の意味づけがなされる。
 今回,恐怖・不安を伴って興奮状態を呈した症例がcarbamazepineによって鎮静化された。しかし,同時に知覚音の半音低下を訴えた。音楽大学の声楽科出身であり,現役の音楽教師である症例の訴えは切実であり,信憑性を持っていた。しかも,絶対音階を身につけている症例の半音低下という訴えには説得力があり,信頼に足るものであると判断しえた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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