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文献概要

短報

非機能性下垂体腺腫と病的多飲水を合併したうつ病でみられたFIRDAについて—事象関連電位(P300)との関連

著者: 伊藤陽1 亀田謙介1 加藤靖彦1 中山温信1 松井望1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.653 - P.656

 前頭部間欠律動性δ活動(frontal intermittent rhythmic delta activity;FIRDA)は2),当初は脳幹,大脳正中部などの脳深部の器質病変と関連づけられていたが1),その後の報告では,より広汎な脳器質疾患4),代謝性疾患,てんかん,精神分裂病8),躁うつ病3),Ganser症候群6),薬物投与9)などでもみられることが明らかになっている。今回,我々は非機能性の鞍内下垂体腺腫を合併したうつ病において,病的多飲水5,11)がみられた時期に脳波上FIRDAが見い出され,以後それが持続した1例を経験した。この症例では,FIRDA出現後は継時的に事象関連電位(event relatedpotential;ERP)を記録することができたので,FIRDAとERPの関連を中心に報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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