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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻7号

1995年07月発行

文献概要

特集 阪神・淡路大震災—現場からの報告

震災直後の入院症例—ある被災地自治体立精神病院からの報告

著者: 山口直彦1 戸田和宏1 幸地芳朗1 岩尾俊一郎1

所属機関: 1兵庫県立光風病院

ページ範囲:P.701 - P.706

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 光風病院は450床前後で運営されている自治体立単科精神病院である。病院は神戸市にあるが,六甲山の北側に位置するため,一時給水不能,数病室使用不能になったことはあったが,地震の直接被害は市街地と比べて軽微であった。
 まず,震災後1月間に当院に入院した患者について簡単に報告したい。地震直後は,合併症で他院入院中であった患者が帰されてきた程度で,入院患者の動揺も少なく,平和であった。ところが,震災4日目の1月20日より,入院要請の電話が鳴り出した。震災後1か月の入院数の経過は図1に示した。震災当日より1月末日までの2週間で58名の入院があった。当院の年間の入退院数は約480であるので,平時の約3倍の入院数となる。時間外の救急入院が極めて多かった。2月初旬に一時減少したが,2月10日ころよりまた増加し,この傾向は4月初旬まで続いた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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