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「第2回多文化間精神医学会」印象記
著者: 昆啓之1
所属機関: 1千葉大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.783 - P.783
文献購入ページに移動 学会は阪神大震災の3日後の1995年1月20日,栃木県総合文化センターで始まった。
初日には3例のケースカンファレンスが行われた。辻恵介氏(自治医大精神科)は,「うつ病が増悪して措置入院となったペルー人の事例」を提示した。薬物への反応は良好ではあるが,移民という境遇が,うつ病の増悪,事例性の発展に大きな影響を及ぼしたケースであった。下地明友氏(熊本大学医学部神経精神科)は「『臨床空間』の『内部』と「外部』―精神医学とシャーマニズムの境界現象」という演題で,「事例検討」そのものを問う,医療人類学的議論を展開した。石垣博美氏(札幌医科大学神経精神科)は「カミダーリを経てユタになった事例」の参与観察を詳細に報告した。それぞれに90分が費やされたが,いずれにおいても,活発な討論が交わされた。
初日には3例のケースカンファレンスが行われた。辻恵介氏(自治医大精神科)は,「うつ病が増悪して措置入院となったペルー人の事例」を提示した。薬物への反応は良好ではあるが,移民という境遇が,うつ病の増悪,事例性の発展に大きな影響を及ぼしたケースであった。下地明友氏(熊本大学医学部神経精神科)は「『臨床空間』の『内部』と「外部』―精神医学とシャーマニズムの境界現象」という演題で,「事例検討」そのものを問う,医療人類学的議論を展開した。石垣博美氏(札幌医科大学神経精神科)は「カミダーリを経てユタになった事例」の参与観察を詳細に報告した。それぞれに90分が費やされたが,いずれにおいても,活発な討論が交わされた。
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