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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻8号

1995年08月発行

文献概要

特集 外来精神科医療の現状と課題

病院における外来精神科医療の役割と問題点

著者: 保坂隆1 黒木宣夫2 片山義郎3 守屋裕文4

所属機関: 1東海大学医学部精神科 2東邦大学医学部付属佐倉病院精神科 3井之頭病院 4東京都立広尾病院精神科

ページ範囲:P.794 - P.799

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■はじめに
 精神疾患の治療目標は患者の社会への適応にあり,その治療は医療施設だけでなく社会全体が負うべき性質のものである。そして,このような前提条件の中で,向精神薬の改良や,最近の精神疾患の軽症化,脱施設化の傾向,などにより,精神疾患の治療は,入院治療という形態から外来治療へと,その主体を変えつつある。精神医療と福祉が一本化されていくという潮流の中で,このような傾向はますます加速されていくことになり,今後の精神医療は外来という場が,これまで以上に非常に重要な役割を担ってくることになる。
 そのような背景を踏まえて,本稿では,精神病院や総合病院などの,病院における外来精神科医療の役割とその問題点を概説していく。膨大な内容を含んだテーマであるため,論点が希釈されないよう,まず,入院から外来へと精神科医療の場が移行していることを示した後,病院という全体的な枠組みの中での外来精神科医療の役割と問題点を論じ,最後に,総合病院精神科が有している特異的な側面について述べていくことにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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