文献詳細
特集 外来精神科医療の現状と課題
文献概要
はじめに
1970年代から精神科診療所が都市部を中心に著しく増加した。次いで10年後からはデイケア・作業所・共同住居なども急速に増え,一応形の上ではやっと「地域内社会資源」が整ってきた。やや性急かもしれないが,それらは今や量より質の時代に入ったといえようか。
まだ精神病院入院中心主義の大きな流れには抗すべくもなかろうが,確かにかすかな出口が見えたと私は思っている(ちょっと甘いかな?)。そして今,改めて町の中の精神科医の社会的役割が問われることとなった。幸か不幸か,そのことが,阪神大震災で鮮明になったのである。
1974年,私が上野で精神科診療所を開業し,「精神科診療所開業のすすめ」1)を声高にうたったが,20年余,そして神戸を経て,いろいろな想いが交錯する。まだ迷いの中にある。精神科診療所医療の総説を論ずる心のゆとりはない。極めて個人的な,志ある人へのメッセージでしかないことをお許しいただきたい。
1970年代から精神科診療所が都市部を中心に著しく増加した。次いで10年後からはデイケア・作業所・共同住居なども急速に増え,一応形の上ではやっと「地域内社会資源」が整ってきた。やや性急かもしれないが,それらは今や量より質の時代に入ったといえようか。
まだ精神病院入院中心主義の大きな流れには抗すべくもなかろうが,確かにかすかな出口が見えたと私は思っている(ちょっと甘いかな?)。そして今,改めて町の中の精神科医の社会的役割が問われることとなった。幸か不幸か,そのことが,阪神大震災で鮮明になったのである。
1974年,私が上野で精神科診療所を開業し,「精神科診療所開業のすすめ」1)を声高にうたったが,20年余,そして神戸を経て,いろいろな想いが交錯する。まだ迷いの中にある。精神科診療所医療の総説を論ずる心のゆとりはない。極めて個人的な,志ある人へのメッセージでしかないことをお許しいただきたい。
掲載誌情報