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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻8号

1995年08月発行

文献概要

特集 外来精神科医療の現状と課題 [精神科専門外来の実際と問題点]

精神科老人外来—現場からの報告と意見

著者: 井関栄三1 小阪憲司1 加藤雅紀2

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室 2積善会曽我病院

ページ範囲:P.833 - P.836

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■はじめに
 近年の高齢者人口の急激な増加に伴い,精神科外来における高齢者の割合も増加傾向にある。老年期は精神身体機能の低下に加えて,役割感の喪失や孤独など環境因子の影響もあり,もっとも精神障害を生じやすい年代といえる。老年期精神障害の医療に当たっては,保健・福祉機関との連携が必須であり,また合併症が多いことから他科との協力も当然ながら必要となる。老年期精神障害の特徴は,うつ病・神経症といった機能性精神障害に加えて,器質性精神障害,特に痴呆性疾患の割合が高いことにある。前者においても老化の影響など他の年代と異なった特徴がみられ考察すべき点は多いが,本稿では筆者らが行っている,主に痴呆性疾患患者を対象とした精神科老人外来について,老人性痴呆疾患治療研究センターの設置された大学附属病院と老人性痴呆疾患相談病院に指定された私立精神病院における調査結果を通じて,その現状と問題点を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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