icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻8号

1995年08月発行

研究と報告

老人性うつ病患者の頭部CT所見

著者: 吉邨善孝1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.861 - P.868

文献概要

 【抄録】老年期に発症したうつ病患者33症例において,1)うつ病患者と健常対照者との間で頭部CT所見に差がみられるか,2)うつ病患者の頭部CT上の変化と精神症状に関連があるかを検討した。頭部CT所見の評価には①視覚法,②線分法,③面積法を用いた。精神症状の評価にはHamilton's Psychiatric Rating Scale for Depressionを用いた。その結果,うつ病患者では,両側前頭葉領域,左側基底核領域で萎縮性変化を認めた。また脳萎縮の程度とうつ病の精神症状プロフィルとの間に関係があることが示唆された。脳萎縮,特に前頭葉萎縮が著明なうつ病症例では仕事や趣味に対する関心の低下,精神運動抑制,身体症状が強い傾向がみられた。うつ病群の脳萎縮がみられた部位は痴呆でも萎縮が比較的みられやすい部位であり,高年齢で発症したうつ病と痴呆との関連が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら