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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻8号

1995年08月発行

研究と報告

老年期の眼科入院患者におけるせん妄

著者: 高橋滋1 高木正勝2 米村公江3 宮本正典3 久保田文雄3 中島政美3 大西直樹3 椎原康史4

所属機関: 1群馬県精神保健センター 2岸病院 3群馬大学医学部神経精神医学教室 4群馬大学医療短期大学部

ページ範囲:P.869 - P.876

文献概要

 【抄録】眼科入院中にせん妄を呈して精神科を受診した27例(男性11例,女性16例)について調査を行った。平均年齢76.5±7.2歳(66〜84歳),入院後に発症した術前群は10例,術後に発症した術後群は17例であった。術前群では,白内障が多く,脳器質障害を伴い,入院当日の夜に発症するものが多かった。術後群では白内障以外の眼科疾患が多く,脳器質障害は少なく,術後2日目までに発症するものが多かった。精神症状では,不眠,見当識障害,注意集中力低下,まとまりのない会話に加え,異常行動,興奮,幻覚が多かったが,幻視は術後群で有意に高い出現率を認めた。眼科患者におけるせん妄の特徴として,入院後または手術後早期に発症し,その要因として高齢,脳機能障害が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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