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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻9号

1995年09月発行

研究と報告

解離の発生と利用について言語化した1例

著者: 市田勝1

所属機関: 1協立総合病院精神科

ページ範囲:P.935 - P.941

文献概要

 【抄録】解離の発生と利用を詳述した1例を報告した。初診時26歳の既婚女性で,多彩な身体症状と解離状態を呈した。解離には,防衛的・適応的な自己催眠様状態と破綻的・不適応的な混乱状態がみられた。前者は「ボーツとして,話しかけられても気がつかないが,料理や運転はそのまましている」というもので,対人的接触を犠牲にして,情動の暴発を抑え,習慣的行動を能率的に遂行していた。「いじめにあって身につけた。考えてしまうのをやめようと努力したらこうなった。感情的なものを麻痺させる。このほうが楽。一点を見つめていると入ってしまう」と述べ,半ば意図的に誘発し利用する側面もうかがわれた。自己催眠様状態は解離の原初的形態であろうと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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