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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻9号

1995年09月発行

文献概要

研究と報告

気分障害における123I-IMP SPECT所見—半定量的局所脳血流値と抑うつ症状との相関

著者: 飯高哲也1 中島亨1 荻久保哲哉1 福田博文1 鈴木良雄1 岡崎篤2 前原忠行2 白石博康3

所属機関: 1関東逓信病院精神科 2関東逓信病院放射線科 3筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.951 - P.958

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 【抄録】気分障害患者26名を対象として123I-iodoamphetamineとSPECTを用いて半定量的局所脳血流値(rCBF)を測定し,ハミルトンうつ病評価尺度得点(HDS)との相関関係を調べた。方法は早期画像の冠状断で前頭葉,側頭葉を中心に19個の不整形ROIを設定した。HDS得点とrCBFの相関は全例では帯状回で正,抑うつ期では左側頭葉で負,右視床で正の相関があったが寛解期では相関はなかった。左右差との関係は全例では前頭葉と眼窩回で,抑うつ期では側頭葉,前頭葉,眼窩回でいずれも左半球のrCBFの右に対する相対的低下がHDS得点と正の相関を示した。抑うつ期の20例でHDS得点を従属変数,rCBFを独立変数として重回帰分析を行った。その結果,左前頭葉(後半),右視床,右前頭葉,帯状回は正,左側頭葉,右基底核,左前頭葉(前半)は負の偏回帰係数を示した。気分障害では左半球の血流低下が強く,左前頭前野,左側頭葉,帯状回などが主要な障害部位と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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