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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻9号

1995年09月発行

文献概要

研究と報告

高齢者の睡眠時無呼吸に対する睡眠薬の影響—ゾピクロンとフルラゼパムの比較

著者: 井上雄一1 高田耕吉1 星野映治2 九里友和1 上田かおる1 挾間秀文1

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2鳥取大学医学部第3内科

ページ範囲:P.959 - P.966

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 【抄録】高齢者の睡眠時無呼吸(SAS)に対し,ゾピクロン7.5mgとフルラゼパム15mgを各5夜連続して服用させ,ポリソムノグラフィ所見の変化につき検討した。
 軽症SAS群では,ゾピクロン服用中に無呼吸指数が減少したのに対し,フルラゼパムでは逆に増加傾向を示した。しかし,中等〜重症群では,両薬服薬中ともに無呼吸指数が有意に増加した。ゾピクロン服薬中の軽症SAS群では,特にstage Ⅰでの無呼吸頻度が減少し,無呼吸型としては中枢型無呼吸の減少が顕著であった。
 高齢者の軽症SASでは,ゾピクロン投与により覚醒-睡眠移行期の無呼吸が減少する可能性があると考えられたが,中等症以上の症例にはその投与は避けるべきと判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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