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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻1号

1996年01月発行

文献概要

研究と報告

音楽性幻聴について—自験5例からの考察

著者: 森則夫1 鈴木勝昭1 緒方慎一1 岩田泰秀1

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神科

ページ範囲:P.19 - P.25

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 【抄録】我々がこれまでに経験した音楽性幻聴の5例について述べた。4例は難聴者にみられたもので,1例は精神分裂病者の音楽性幻聴である。難聴者4例の音楽性幻聴はいずれも老年期に発症しており,いずれも耳鳴を持っていた。精神分裂病の1例は20歳頃に発症し,音楽性幻聴のほかには難聴も耳鳴もなかった。これらの症例から,難聴者では,(難聴という)感覚遮断,耳鳴,加齢に伴う脳の脆弱性や機能変化が音楽性幻聴の発症に与っていると考えられた。また,精神分裂病者の例ではその疾病過程において機能的感覚遮断が起きているのではないかと推論した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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