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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻1号

1996年01月発行

文献概要

研究と報告

悪性症候群におけるけいれん発作について—発作後軽快した1例を中心に

著者: 熊谷浩司1 川口浩司1 豊田隆雄1 村田桂子1

所属機関: 1島田市民病院精神科神経科

ページ範囲:P.37 - P.42

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 【抄録】向精神薬の減量・中止に伴って悪性症候群を発症し,強直-間代けいれんの後,症状が劇的に改善した症例について報告した。本症例においては,抗精神病薬,抗不安薬,睡眠薬,中枢神経作用性の制吐剤・消化管運動改善剤などが,数か月間対症的に投与されていた。薬剤の減量に伴い,悪性症候群を発症したため,IVHなど補液を中心に全身管理を行い経過を観察した。第12病日,3回の強直-間代けいれんを起こし,その後約14時間の経過で症状が改善した。けいれん発作の認められた悪性症候群の報告症例と比較,検討したところ,本症例のように発作を契機に軽快が認められる症例が存在し,その経過は,ECTによる治療経過に類似していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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