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特発性antecollisを合併した分裂病の1例—理学的治療の有効性について
著者: 丸井規博1 佐々木学2
所属機関: 1京都大学医学部精神科 2現,西山病院
ページ範囲:P.43 - P.47
文献購入ページに移動 【抄録】症例は,15歳時に精神分裂病を発症し33歳時に頸部前屈(以下antecollis)を呈した男性である。向精神薬の服用歴が発症当時の1週間しかないため,このantecollisは遅発性ジストニアとは考えられず,症候性ジストニアも否定的で,特発性ジストニアと考えられた。antecollisに対しては,頭頸部を水平位に保つ長時間の仰臥位保持療法が著効を示したが,これは随意的な仰臥位保持がantecollisという脳の異常な運動プログラムを解除するのではないかと推測された。これまでジストニアに対しては一般に理学的治療は無効とされてきたが,少なくともantecollisに対しては,仰臥位保持療法という理学的治療が有効である可能性があることを指摘した。
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