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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻1号

1996年01月発行

研究と報告

線条体内包梗塞に伴い無為を呈した1例

著者: 尾関祐二1 加藤忠史1 大東祥孝23 成田実1 加藤進昌1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2京都大学留学生センター 3京都大学大学院人間環境学研究科

ページ範囲:P.67 - P.71

文献概要

 【抄録】尾状核,内包,レンズ核を含む脳梗塞に伴い,急性期に無為(abulia)を,慢性期には軽度の特徴的な失語を呈した症例を報告した。無為は,尾状核の脳梗塞で報告されているものと類似しており,その内的体験,症状に対する態度(無関心,内的葛藤の欠如)などから,うつ病における意欲低下とは区別されうるものであった。また,この症例の失語は線条体内包梗塞に特徴的な自発語の減少,失名辞,語性錯語,言語産生,流暢性の障害などにより特徴づけられる軽度の超皮質性運動失語であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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