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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻1号

1996年01月発行

研究と報告

DST陽性を示したインターフェロンα誘発性精神障害の2症例—精神症状の病態発生に関する1考察

著者: 松永秀典1 更井正和2

所属機関: 1大阪府立病院精神科 2小阪病院

ページ範囲:P.83 - P.90

文献概要

 【抄録】C型肝炎に対するインターフェロンα(IFNα)療法中に発生した精神障害2症例の入院治療を経験した。うち1例は,重篤な幻覚妄想状態のあと痴呆様症状が遷延するという特異な経過を示した。
 2症例の経過中にdexamethasone抑制試験(DST)を施行したところ,2症例とも,精神症状の重篤な時期にはDSTが陽性を示し,精神症状の軽快とともにDSTの陰性化を認めた。このことから,IFNα誘発性精神病の病態と躁うつ病の病態とが類似している可能性が推測された。さらに,IFNαの持つ視床下部-下垂体-副腎皮質系刺激作用が,感情障害を中心とした精神症状の誘発に関連している可能性を示唆した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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