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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻1号

1996年01月発行

文献概要

短報

サイロキシン(T4)が奏効したLate Luteal Phase Dysphoric Disorder(LLPDD)の1例

著者: 土屋潔12 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室 2現,市立室蘭総合病院祝津分院精神神経科

ページ範囲:P.94 - P.96

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 黄体後期に出現し月経開始後すみやかに寛解する,精神的ならびに身体的症状を周期的に反復する症候群は,DSM-Ⅲ-R1)でlate luteal phase dysphoric disorder(LLPDD)として定義された。これは従来の月経前緊張症の一群に相当すると考えられる。LLPDDあるいは月経前緊張症の治療には,各種ホルモン剤,ブロモクリプチン,リチウム,アルプラゾラム,クロミプラミンなど種々の薬剤が使われているが,いまだ確立された治療法はないのが現状である6,9)。また,月経前緊張症に対して,甲状腺ホルモンによる治療を行った報告もいくつかあるが3,7),投与量は報告によって様々で,有効性についての一致した見解は得られていない。今回我々は比較的高用量のサイロキシン(T4)が著効したLLPDDの1例を経験したので若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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