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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻10号

1996年10月発行

文献概要

研究と報告

セロトニン症候群と考えられた2症例—悪性症候群との鑑別を中心に

著者: 西嶋康一1 清水光恵1 阿部隆明1 石黒健夫1

所属機関: 1自治医科大学精神科

ページ範囲:P.1035 - P.1041

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 【抄録】セロトニン(5-HT)症候群と考えられる2症例を報告した。症例1はうつ病の男性でアミトリプチリンとクロミプラミンが併用されたところ不安緊張,発熱,頻脈,発汗,反射亢進が出現した。症例2は躁うつ病の男性で,炭酸リチウム,トラゾドンを併用中強い不安焦燥を示し,トラゾドンがアミトリプチリンに変更された後より寡動緘黙状態となり,発熱,意識障害,発汗,ミオクローヌス,反射亢進,軽度の筋強剛が認められた。5-HT症候群は悪性症候群とその臨床症状が類似するが,2症例とも5-HT再取り込み阻害作用の強い抗うつ薬服用後発症していること,特有の不安焦燥を示すこと,筋強剛がないか軽度であることから,悪性症候群よりは5-HT症候群と診断するほうが妥当と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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