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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻10号

1996年10月発行

文献概要

研究と報告

1年以上にわたる長期もうろう状態を呈したてんかんの1症例

著者: 真下清1 相川博1 山内俊雄1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1049 - P.1054

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 【抄録】長期もうろう状態を呈した19歳のてんかん女性を報告した。症例は14歳時から強直間代発作が出現し,発作を繰り返す経過中には,疎通性の低下と1年間にわたる亜昏迷様のもうろう状態を呈した。強直間代発作はsodium valproateで抑制されたが,もうろう状態はhaloperidolで改善され,もうろう状態を含む約2年半を想起できなかった。脳波では左側頭葉を中心に突発性異常波が出現したものの,もうろう状態と異常波の消長との関連は明確ではなかった。SPECTでは左前頭から側頭部にかけて広範に血流が低下し,入院1年後にはこの所見は改善した。本症例のもうろう状態は意識障害を伴う発作間歇期の精神症状と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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