icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻10号

1996年10月発行

文献概要

短報

Propericiazineによりてんかん発作の増悪を来した1例

著者: 高見浩12 岡本泰昌1 末田耕一1 吉村靖司1 日域広昭1 大森信忠1

所属機関: 1国立呉病院・中国地方がんセンター精神科 2現,広島市精神保健福祉センター

ページ範囲:P.1093 - P.1095

文献購入ページに移動
 これまでに,抗精神病薬によりけいれん発作が惹起されたという報告が多数なされ2,7,8),特にてんかん患者をはじめ脳波異常の既往を有する場合には,より起こりやすいので注意を要すると言われている8)。また,脳波上基礎活動が徐波化したり,棘徐波複合や陽性棘波が出現することも報告されている1,3〜5)。しかし,propericiazineは構造特性上けいれん発作を誘発しやすいとされているが8),我々の検索しえたかぎりではpropericiazineに関する報告例は認められない。今回我々は,てんかん患者にみられた幻聴と作為体験に対して増量を試みたpropericiazineにより,てんかん発作が頻回となり,脳波上基礎活動の悪化と突発活動の出現を認めた1例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?