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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻10号

1996年10月発行

文献概要

短報

感情障害とてんかん発作を合併したChiariⅠ型奇形の1例

著者: 柳井一郎1 大田垣洋子1 岩本泰行1 東方田芳邦1 衣笠隆幸2

所属機関: 1広島県立広島病院精神科神経科 2広島市精神保健指導センター

ページ範囲:P.1097 - P.1099

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 Arnold-Chiari奇形2)は,小脳扁桃と延髄が上部脊椎管内へ変位を起こした先天的奇形である。腰仙椎に二分脊椎,脊髄髄膜瘤(meningomyelocele)を伴うことが多く,これが本症発生の要因の1つと考えられているが,定説はない。正確な発症頻度も不明である。臨床的には2型に分類される。Chiari Ⅰ型は脊髄髄膜瘤を伴わないもので,症状は青年期から成人期に出現し,主症状は頭蓋内圧亢進と小脳性失調,脊髄空洞症で,これに舌咽,迷走,副,舌下神経の下部脳神経の障害が種々の組み合わせで現れる。Chiari Ⅱ型は脊髄髄膜瘤を伴い,生後数か月から症状が出現し,徐々に進行する水頭症が主体をなし,様々な症状を合併する。今回,我々はChiari Ⅰ型に感情障害とてんかん発作を合併した,比較的まれと思われる症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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