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資料
精神科救急医療の現状
著者: 武内広盛1 北村秀明1 西沢芳子1
所属機関: 1国立療養所犀潟病院精神科
ページ範囲:P.1109 - P.1116
文献購入ページに移動■はじめに
精神科救急医療は,地域医療との関連で論じられることが多く,そのほとんどは,精神障害者の脱収容化の流れに沿ったものである。しかし,精神科医療の大きな動向であることは否めないにせよ,そのことは完成されたシステムや,解決済みの医学的根拠に基づいているわけではない。図らずも精神障害者の自立に繋がったとはいえ,そもそも脱収容化は,出発点で非医学的要因の影響を強く受けたことは事実であろう。
「人の数ほどの精神科医療システムが必要だ。」というのは半ば冗談にせよ,脱収容化もまた道半ばの一見解である。精神の障害に自身を損い他人を害する可能性があるかぎり,精神科救急医療は精神医療を構成する根源的機能の1つであり続ける。
厚生省では,公衆衛生審議会の意見を受け,今後の4か年で,精神科救急医療システムの全国化を目指している。この報告は上記実情に沿い,1995年5月,全国47都道府県(以下,自治体)の精神保健担当課を対象に,精神科救急医療に関するアンケート調査(アンケート内容の概略は資料1として提示した)を行い,回答内容を整理・解析したものである。
精神科救急医療は,地域医療との関連で論じられることが多く,そのほとんどは,精神障害者の脱収容化の流れに沿ったものである。しかし,精神科医療の大きな動向であることは否めないにせよ,そのことは完成されたシステムや,解決済みの医学的根拠に基づいているわけではない。図らずも精神障害者の自立に繋がったとはいえ,そもそも脱収容化は,出発点で非医学的要因の影響を強く受けたことは事実であろう。
「人の数ほどの精神科医療システムが必要だ。」というのは半ば冗談にせよ,脱収容化もまた道半ばの一見解である。精神の障害に自身を損い他人を害する可能性があるかぎり,精神科救急医療は精神医療を構成する根源的機能の1つであり続ける。
厚生省では,公衆衛生審議会の意見を受け,今後の4か年で,精神科救急医療システムの全国化を目指している。この報告は上記実情に沿い,1995年5月,全国47都道府県(以下,自治体)の精神保健担当課を対象に,精神科救急医療に関するアンケート調査(アンケート内容の概略は資料1として提示した)を行い,回答内容を整理・解析したものである。
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