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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻11号

1996年11月発行

特集 精神医学における分子生物学的研究

アルコール依存症の分子生物学的研究

著者: 齋藤利和1

所属機関: 1札幌医科大学保健医療学部臨床作業療法学講座

ページ範囲:P.1163 - P.1169

文献概要

■はじめに
 アルコール依存症に関する分子生物学的研究は,その危険因子(risk factor)に関するものから長期のアルコール摂取による変化まで多岐にわたっている。その上,アルコール依存症の離脱症状をはじめとする神経精神症状の発現は脳のみならず,肝臓などの末梢臓器の機能とも関係するという報告もあり,その研究範囲も広い。例えば,近年本邦において最も注目を集め,進展している研究は肝のアルコール脱水素酵素(ADH),アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)に関するものであり,厚生省精神神経疾患研究委託費「アルコールの分子生物学的研究に関する研究班」でも多数を占めている。
 しかしながら,これらのアルコール依存症に関する分子生物学的研究をすべて論ずることは,誌面の関係で不可能であり,筆者の能力を超えることでもある。したがって,ここでは,中枢神経系を中心にして,エタノールの作用機序,アルコール依存症者における膜の内在蛋白質とその遺伝子レベルの変化を述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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