文献詳細
特集 精神医学における分子生物学的研究
文献概要
■はじめに
ミトコンドリア脳筋症は,1977年Shapiraら15)により,「脳と筋肉にミトコンドリアの形態的あるいは機能的な異常を来す疾患」として定義されたが,近年の分子遺伝学的研究の結果よりこの疾患群は神経,筋に特異的に症状を現すのではなく,全身臓器に病変を及ぼすことがわかってきており,最近ではmitochondrial cytopathyと呼ばれることも多い。その症状は多彩で,家系内でも症状の異なることが多く,診断を複雑なものとしている。本稿では,ミトコンドリア脳筋症の臨床的特徴,および精神医学との関連性について取り扱う。
ミトコンドリア脳筋症は,1977年Shapiraら15)により,「脳と筋肉にミトコンドリアの形態的あるいは機能的な異常を来す疾患」として定義されたが,近年の分子遺伝学的研究の結果よりこの疾患群は神経,筋に特異的に症状を現すのではなく,全身臓器に病変を及ぼすことがわかってきており,最近ではmitochondrial cytopathyと呼ばれることも多い。その症状は多彩で,家系内でも症状の異なることが多く,診断を複雑なものとしている。本稿では,ミトコンドリア脳筋症の臨床的特徴,および精神医学との関連性について取り扱う。
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