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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻12号

1996年12月発行

文献概要

研究と報告

適応障害の発症年齢と病型および心理社会的ストレス因子との関係

著者: 野口俊文12 山田尚登1 大門一司13 中島聡14 野口ゆみこ1 高橋三郎15

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2八幡青樹会病院 3西山病院 4嬉野温泉病院 5埼玉江南病院

ページ範囲:P.1273 - P.1279

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 【抄録】DSM-Ⅲ-R診断基準で適応障害と診断された358名について,発症年齢,性差,心理社会的ストレッサー,適応障害の病型分類について検討した。①発症年齢は広範囲に分布し,②性比はやや女性が多かった。③不安気分を伴う適応障害の頻度が病型分類中,最も高く,④病気および経済的負担がストレッサーの中で最も頻度が高かった。⑤性別で有意差のあったストレッサーは職場関係(男性〉女性),病気および経済的負担(女性〉男性)および出産(女性〉男性)であった。発症年齢とストレッサーおよび病型分類の間で,⑥各ストレッサー間で発症年齢に有意差が存在し,⑦各病型間で発症年齢に有意差が存在した。すなわち,行動面での障害が中心になる適応障害では発症年齢が低く,抑うつ・不安が中心となる適応障害では発症年齢が高いことが明らかとなった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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