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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻12号

1996年12月発行

シンポジウム 痴呆の薬物療法の最前線—向知性薬の臨床と基礎

G蛋白質によるN型Ca2+チャンネル調節機構に対するNefiracetamの作用—分子生物学の立場から

著者: 額田敏秀1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経化学研究部門

ページ範囲:P.1337 - P.1341

文献概要

 N型Ca2+チャンネルは,受容体-G蛋白質を介してチャンネル活1生の調節を受け,神経終末からの神経伝達物質放出に重要な役割を果たしている5)。N型Ca2+チャンネル活性調節の分子機構を明らかにすることは,神経伝達物質放出調節に関する研究の分子的基盤を与え,伝達物質放出異常を伴う疾患の病因解明の一翼を担うことにもなる。脳機能改善薬として開発されたnefiracetamは,神経細胞モデル細胞であるNG 108-15細胞において,G蛋白質を介してCa2+チャンネル活性を調節することが示唆されており10),もしnefiracetamの作用点が1か所ならば,その作用点こそがnefiracetamの有する薬理作用の鍵を握る分子であることが予想される。
 本研究の目的は,N型Ca2+チャンネル活性調節の分子機構を明らかにし,nefiracetamの薬理作用と作用部位を確定することであり,それらを実現する第一歩として,分子として同定された外来性の受容体・N型Ca2+チャンネルをアフリカツメガエル卵母細胞上に再構成し,この系に対するnefiracetamの作用を検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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