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研究と報告
病的多飲水により尿路系の異常を来した慢性精神分裂病の1例—1日尿量,血清Na値,体重日内変動の長期経過と低緊張性膀胱に対する泌尿器科的治療の検討
著者: 不破野誠一1 中山温信2 伊藤陽2 松井望2 荻野和子3 高木隆治4
所属機関: 1国立療養所犀潟病院精神科 2新潟大学医学部精神医学教室 3国立療養所犀潟病院内科 4新潟労災病院泌尿器科
ページ範囲:P.135 - P.140
文献購入ページに移動これまでに慢性の精神障害に伴う病的多飲水の報告は多くみられるが,尿路系に異常を来した症例についての報告,特にそのような症例の検査所見や治療に触れた報告はない。今回の知見から,病的多飲水の管理には1日尿量,午後4時の血清Na値,体重日内変動の測定が有用であること,さらに多飲水が長期に及ぶ場合は尿路系の異常が生ずる可能性があり,残尿量の測定や骨盤部のCT撮影,経静脈的尿路造影(DIP)などの泌尿器科的検査が必要であることを強調した。
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