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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻2号

1996年02月発行

研究と報告

心因性尿閉を呈した3例の神経症患者

著者: 坂本玲子1 朝田隆1 假屋哲彦1 飯田栄子2

所属機関: 1山梨医科大学精神科神経科 2山梨厚生病院

ページ範囲:P.163 - P.167

文献概要

 【抄録】泌尿器科領域で心因性尿閉と呼ばれる疾患の診断・治療には,精神的配慮が重要であるとされる。しかし精神医学的観点からの報告は少ない。我々は心因性尿閉の3症例を経験した。いずれの症例においても性格的には未熟で女性としての同一性が十分確立されておらず,心的外傷を身体化し疾病に逃避しやすい傾向を認めた。個別的には,2例は分娩後の尿閉の経験があり性行為に対して陰性の感情を持っていた。もう1例は結婚を含めた将来への不安があり,心身症としての難治性胃潰瘍の存在が特徴的だった。さらに尿閉の誘因,結実因子として抗精神病薬の副作用にも注目した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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