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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻2号

1996年02月発行

文献概要

研究と報告

Clomipramineとその水酸化・脱メチル化代謝物およびグルクロン酸抱合体の血漿中濃度モニタリングによる気分障害の臨床改善度の予測

著者: 森田幸代12 下田和孝1 野口俊文13 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2(財)豊郷病院精神科 3八幡青樹会病院精神科

ページ範囲:P.181 - P.185

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 【抄録】塩酸クロミプラミン服用中の気分障害57名を対象とし,clomipramine(C)およびその代謝物であるN-desmethylclomipramine(DC),8-hydroxyclomipramine(HC),8-hydroxy-N-desmethylclomipramine(HDC),8-hydroxyclomipramine glucuronide(HCG),8-hydroxy-N-desmethylclomipramine glucuronide(HDCG)を測定し,臨床効果との関連について検討を加えた。臨床効果については,DSM-Ⅲ-R診断基準の第5軸「機能の全体的評価尺度」をもとに反応者,非反応者を定義した。血漿中Cおよびその代謝物血漿中濃度をもとに,判別分析による臨床効果の判別を行ったところ,79%の割合で臨床効果の予測が可能であった。治療効果の予測においては,グルクロン酸化合物の血漿中濃度も親化合物,水酸化代謝物,および脱メチル化代謝物と同様に重要な因子であることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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