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「精神医学」への手紙
Letter—Sleep disorders medicineの立場から—戸島論文に対するコメント
著者: 谷口充孝1 立花直子2 岡靖哲3 杉田義郎4
所属機関: 1大阪回生病院精神神経科 2京都大学医学部脳病態生理 3公立豊岡病院神経内科 4大阪大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.223 - P.223
文献購入ページに移動症例ではSASの診断にアプノモニターが使われています。アプノモニターはSASのスクリーニングには有用ですが,SASの重症度や治療の必要性を決定することができません。睡眠内容,SaO2の低下を評価するためにパルスオキシメーターを併用した終夜睡眠ポリグラフ検査が必要です5)。また,SASによって深睡眠が減少し,深睡眠時に出現する成長ホルモンのsurgeが障害されるために小児のSASでは身体発育障害が生じ,治療によって著しく改善することが報告されています4)。この意味でも終夜睡眠ポリグラフ検査で睡眠内容を把握することが重要です。なお,症例ではSASの臨床症状によって日中の活動に支障を来していることからも,短期的にはnasal CPAPを,長期的には形成外科的手術などの治療を考えていくことが望まれます。
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