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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻3号

1996年03月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の再発についての検討—陽性症状と非精神病性症状を指標として

著者: 緒方明1 坂本眞一2 葉山清昭2 多賀浩一2 川上恵2 藤本敏雄2

所属機関: 1熊本大学教育学部障害児教育科障害児病理 2坂本病院

ページ範囲:P.259 - P.265

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 【抄録】精神分裂病の再発について,再発症状を陽性症状のみに限定せずに非精神病性症状にも広げて再検討した。対象とした133人中再発者は93人で再発率は69.9%と高率であった。再発契機は断薬・怠薬・減薬のⅠ群,ライフイベントのⅡ群,Ⅰ群とⅡ群が重畳したⅢ群,不明のⅣ群があった。再発契機と再発症状との関連を検討するとⅠ群では陽性症状が多く,Ⅱ群では非精神病性症状が多いことが特徴的であった。この結果を非精神病性症状の初期症状から陽性症状の極期症状へと進展する精神分裂病の症候論から考察し,てんかんで断薬の際に出現する症状との類似性を指摘した。また約25年間で女性の職場内因子のライフイベントが増加の傾向にあることを指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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