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文献概要

研究と報告

抗精神病薬誘発性アカシジアと睡眠時ミオクローヌスの関連

著者: 堀口淳1 西松央一2 佐々木朗3 稲見康司4 助川鶴平5 伊賀上睦見6

所属機関: 1愛媛大学保健管理センター 2西松医院 3西条道前病院 4清和病院 5牧病院 6聖路加看護大学

ページ範囲:P.275 - P.279

 【抄録】抗精神病薬誘発性アカシジアを呈する4症例とアカシジアのみられない対照群4症例の合計8例の精神分裂病患者に,終夜睡眠ポリグラフィ検査を実施し,アカシジアと睡眠時ミオクローヌスとの関連を検討した。睡眠時ミオクローヌスはアカシジア群4例中3例で観察されたが,対照群4例には睡眠時ミオクローヌスはみられなかった。アカシジア群4例では,全例でクロナゼパムの投与がアカシジアに奏効した。アカシジア群における,アカシジア消失後の終夜睡眠ポリグラフィ検査の再検では,睡眠時ミオクローヌスの総数や単位時間当たりの個数は減少し,その平均インターバルが延長した。これはクロナゼパムが,睡眠時ミオクローヌスにも奏効したことを示している。
 以上の事実から,抗精神病薬誘発性アカシジアと睡眠時ミオクローヌスとは症候学的にも薬物治療学的にも共通の基盤を持つ症候であると考えられた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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