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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻3号

1996年03月発行

文献概要

研究と報告

触法精神障害者の臨床的特徴について—1公立病院における調査から

著者: 土屋賢治12 中谷陽二3 岩波明4 藤森英之5 金子嗣郎5

所属機関: 1曽我病院精神科 2現,東京医科歯科大学精神医学教室 3東京都精神医学総合研究所 4昭和大学医学部精神医学教室 5東京都立松沢病院精神科

ページ範囲:P.287 - P.293

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 【抄録】1公立精神病院に6か月間に入院した患者を対象に,触法歴と病歴を調べたうえで,入院後の治療経過を追跡した。触法歴を有する触法群は対象患者320例中の53例(16%)であり,触法歴を持たない非触法群267例と比較して,物質乱用歴が多い,分裂病が少ない,頻回入院者が多い,治療中の暴力行為が多いという傾向が見い出されたが,薬物投与量と入院期間について差は見い出せなかった。さらに触法群を,触法行為の内容に従って「重大触法群」と「軽微触法群」に分け比較したところ,触法行為の重大性は濃厚な治療を必要とする病態の重さと関連する可能性が示唆された。触法精神障害者の特性に応じた治療戦略の必要性について言及した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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