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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻3号

1996年03月発行

文献概要

短報

インターフェロンの投与により持続する躁様症状と前頭葉の血流障害を呈した腎細胞癌の1例

著者: 古塚大介1 切池信夫1 黒田陽子1 木岡哲郎1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.310 - P.312

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 現在,インターフェロン(以下IFNと略す)は腎癌,多発性骨髄腫,慢性骨髄性白血病などの悪性腫瘍とB型およびC型慢性肝炎の治療に使用され,臨床効果を上げている。しかしその使用頻度の増加に伴い,意識障害,知能低下,傾眠,精神錯乱,知覚異常,見当識障害,幻覚,不安,抑うつなどの精神症状が副作用として生じることが報告され2,3,8,10),これらの精神症状は一般にIFN投与中止後速やかに改善すると言われている9)。今回我々は腎癌の治療のため腎摘出した後IFNの長期投与にて,多動,多幸性などの躁様症状と知的機能低下を来し,投与中止後約6か月以上もこれが持続し,この間SPECTで前頭葉の血流障害が認められた症例を経験したので若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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