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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻4号

1996年04月発行

研究と報告

保健所定期精神保健相談例の分析—受療中なのになぜ保健所に来るのか?

著者: 太田敏男1

所属機関: 1埼玉医科大学神経精神科

ページ範囲:P.371 - P.377

文献概要

 【抄録】精神科医療における保健所の役割の実態と病院医療の問題点を探るため,受療中の精神保健相談例の保健所来所理由を分析した。全330相談例のうち,受療中例は87例(26.3%)であった。来所理由は,相談相手が保健所医師であることが妥当と思われるもの(A群),相談相手が主治医であるほうが妥当と思われるもの(B群),および相談理由が不明確なものや特殊なもの(C群)に大別され,それぞれの例数は36,40,11であった。A群は,おおむね地域における相談機関という保健所の役割にふさわしいものだったが,B群は,病院診療において病気の治療経過や見通しの説明,具体的な対処のしかたの指導,生活面の相談などが不十分であることを示唆するものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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