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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻4号

1996年04月発行

文献概要

研究と報告

幻覚妄想を呈したてんかん患者におけるSchneiderの一級症状—前頭葉てんかんと側頭葉てんかんの比較

著者: 西脇俊二1 足立直人2 村内重夫13 大沼悌一2 石田孜郎2 赤沼のぞみ2 穴見公隆2

所属機関: 1国立国際医療センター精神科 2国立精神・神経センター武蔵病院精神科 3国立秩父学園精神科

ページ範囲:P.393 - P.398

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 【抄録】幻覚妄想の既往のあるてんかん48例(FLE 11例,TLE 37例)を対象として,Schneiderの一級症状(FRS)について後方視的に比較検討した。焦点局在以外の臨床特徴に両群間で差はなかった。FLEでは5例,TLEでは27例にFRSが認められた。TLEはFLEに比較して,妄想知覚,感情・欲動・意志の領域のその他の行為・影響体験において有意に高得点であった。さらにTLEではCTによる脳萎縮所見と問答形式の幻声と正の相関,思考奪取やその他の思考への干渉との間に負の相関を認めた。FLEでは,知能障害の程度と身体への影響体験,考想伝播,感情・欲動・意志の領域のその他の作為・影響体験が有意な相関があり,てんかん初発から精神病症状初発までの期間と自己の行為に随伴して口出しする形の幻声との間には負の相関を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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