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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻4号

1996年04月発行

研究と報告

難治性うつ病に対するブロモクリプチンの治療効果

著者: 三浦淳12 土屋潔12 井上猛1 榊原聡13 傅田健三1 笠原敏彦14 浅野裕2 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室 2市立室蘭総合病院祝津分院 3現,北海道立向陽ヶ丘病院 4現,国立国際医療センター精神科

ページ範囲:P.399 - P.404

文献概要

 【抄録】内因性うつ病に対するブロモクリプチン(ドーパミンD2受容体作動薬)の有効性については,これまでいくつか報告されている。しかし,難治性うつ病に対するブロモクリプチンの有効性を検討した報告はみられていない。今回我々は数種類の三環系あるいは四環系抗うつ薬を十分量,一定期間与薬しても改善しなかった難治性うつ病の6症例について,ブロモクリプチンをこれらの抗うつ薬と併用し,その抗うつ効果について検討した。全例,単極性うつ病であり,DSM-III-Rの大うつ病(メランコリー型)の診断基準を満たした。ブロモクリプチンの6週間の与薬により4例が反応(HRSD総点が50%以上減少)し,残りの2例も部分的な反応(HRSD総点が25%以上50%未満減少)を示した。今回の結果から難治性うつ病に対してブロモクリプチンが有効な治療手段の1つとなる可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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