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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻4号

1996年04月発行

文献概要

研究と報告

Charles Bonnet症候群に関する考察—“解放性”幻視との関連性について

著者: 森則夫1 小薗江浩一1 鈴木勝昭1 岩田泰秀1

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神科

ページ範囲:P.411 - P.417

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 【抄録】Charles Bonnet症候群とは眼疾患により視力障害を来した老年者に幻視が現れる臨床像を指していう。一方,“解放性”幻視とは,中枢視覚路の病変に伴う複合幻視の発症機序を説明するために提唱された概念で(Cogan,1973),通常の視覚刺激は幻視の発現を抑制しており,それがなくなると幻視が現れるという考えである。本稿において,我々はCharles Bonnet症候群を呈した初老期または老年期の男性3例と,視力障害を伴わずに幻視を呈した老年女性の1例を提示した。症状記載の後,解放性幻視と脳の老化という観点からCharles Bonnet症候群にみられる幻視について考察し,各症例にコメントを加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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