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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻4号

1996年04月発行

文献概要

短報

頭部外傷後に起こった逆向健忘の1例—逆向健忘からの突然の回復(プチット・マドレーヌ現象)

著者: 村井俊哉1 十一元三1 扇谷明1 中山宏太郎1

所属機関: 1京都大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.419 - P.421

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 前向健忘を伴わない逆向健忘はみられないというのが脳器質性病変に伴う健忘症の原則とされていたが8),最近,前向健忘をほとんど伴わずに逆向健忘のみが長期間持続する症例が相次いで報告されている2,7,9)。我々は頭部外傷に引き続いておよそ2か月間,過去5年に及ぶ逆向健忘を示し,前向健忘をほとんど伴わなかった1例を経験したので報告する。また本例ではその逆向健忘の急速な回復も特徴的であったが,同様の回復過程をとった症例が最近Lucchelliら5)によって,Petites Madeleines'phenomenonとして報告されており,この点についても若干の考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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