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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻5号

1996年05月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の1例にみられた重複記憶錯誤様の陳述について

著者: 村井俊哉1 十一元三1 扇谷明1 栗本藤基2

所属機関: 1京都大学医学部精神医学教室 2滋賀里病院

ページ範囲:P.513 - P.517

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 【抄録】自分の同胞がそれぞれ5人ずついるという特異な陳述をした精神分裂病の1例を経験したので報告する。このような人物同定障害は,同じく人物同定に関する障害であるCapgras症候群やFrégoli錯覚と異なっており,Pick以降,器質性精神症候群として報告されている重複記憶錯誤reduplicative paramnesiaに形式的に類似するものと考えられた。精神分裂病ではこのような症候についてはこれまで注目されていないので,Capgras症候群などと比較しながら,その形式的特徴について若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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