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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻5号

1996年05月発行

研究と報告

高校生に対するアルコール教育とその効果

著者: 水谷由美子1 青木博行2 樋口進1

所属機関: 1国立療養所久里浜病院 2神奈川県立豊田高校

ページ範囲:P.525 - P.531

文献概要

 【抄録】本研究は,高校1年生を対象に行ったアルコール教育とその効果についての検討である。教育プログラムを実施したのは,神奈川県下の普通高校で,医師と臨床心理士がそれぞれプログラムを担当した。講義とロールプレイの二段構えで教育を行った2クラス(72名)と教育を行わなかった残り6クラス(180名)を自記筆のアンケート方式による調査票を用いて比較検討した。結果は以下のようになった。アルコールに関する知識の定着という点では,両群にはっきりとした有意差が認められ,教育プログラムの有効性が証明された。さらに今後の飲酒に対する姿勢に関しても,教育実施クラスに,より適応的な姿勢がうかがわれた。しかし現実的な飲酒行動では両群に有意差が認められず,飲酒行動そのものの改善には至らなかった。彼らの飲酒行動の修正には,継続的な介入や個別の対応の必要性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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