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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻5号

1996年05月発行

文献概要

短報

特異な臨床経過を呈し急性リンパ球性髄膜脳炎の疑われた1臨床例

著者: 川西洋一1 佐々木恵美2 水上勝義2 白石博康2

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.545 - P.548

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 急性リンパ球性髄膜脳炎(acute lymphocytic meningoencephalitis;ALME)は,急激に発症し,発熱,意識障害,けいれん,精神症状などの重篤な臨床症状を呈し,しばしば死に至る比較的まれな疾患である。その一方で,検査所見に乏しく,神経病理学的にも血管周囲腔のリンパ球浸潤を中心としたごく軽度の炎症性変化を示すのみという臨床病理学的解離を特徴としている3)。軽快例では宮ら6),内田ら9)が報告しているにすぎないが,病初期に様々な精神症状を呈することが少なくないため1,3,6,7,9),精神科診療において重要な疾患と思われる。
 今回我々は,ALMEが疑われた1臨床例を経験し,その臨床経過やSPECTから興味ある所見が得られたため,若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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