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【抄録】225名の慢性分裂病の発端者について家族負因とPANSSによる症状特性との関連を調査し,また家族負因を有する38名中24名の発端者について,その第1度親族のPANSSによる症状評価を行った。その結果家族性分裂病にはPANSS類型の陽性型の発端者が多く,陽性尺度2項目との関連が認められ,散発性分裂病には陰性型の発端者が多く,陰性尺度1項目との関連が認められた。発端者と親族のPANSS類型の一致率は陽性型が陰性型より高率であり,発端者と親族のPANSS尺度の相関分析では陽性尺度3項目と陽性尺度総合点で正の相関関係が認められたが,陰性尺度では有意な相関関係は認められなかった。以上の解析結果に基づき家族負因と陽性症状との関連を示唆した。
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