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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻6号

1996年06月発行

研究と報告

躁病の初発年齢に関する予備的研究

著者: 吉村玲児1 阿部和彦1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.613 - P.618

文献概要

 【抄録】early-onset maniaとlate-onset maniaの特徴を比較する目的で1982年7月から1994年7月までの間に産業医科大学神経精神科へ初回躁病相で入院した患者28例を早発群(49歳以下)と遅発群(50歳以上)の2群に分けて,入院カルテをもとに後方視的に検討した。その結果は,(1)両群間において臨床症状に差はみられなかったが,遅発群では早発群に比べて有意に(2)身体合併症が多い,(3)血中コルチゾールが高値,(4)CT上異常所見が多い,といった特徴が認められた。以上の結果はlate-onset maniaは,一部には加齢による脳の脆弱性や身体合併症などが関与する不均質な疾患の可能性があるという従来の説を支持した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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