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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

インターフェロン投与により健忘症状を呈した1例—定量SPECTと神経心理学的考察

著者: 佐々木信幸1 深津亮1 古瀬勉2 土肥道子3 牧野憲一4 高畑直彦1

所属機関: 1札幌医科大学神経精神医学教室 2旭川赤十字病院精神神経科 3旭川赤十字病院臨床心理 4旭川赤十字病院脳神経外科

ページ範囲:P.627 - P.634

 【抄録】C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)投与により健忘症状と軽躁状態を呈した1例に対し,定量SPECT,血清,髄液中のIFN定量,神経心理学的検査,縦断的脳波検査を行い詳細に経過を観察した。脳波の徐波化の改善にIFN中止から4週間以上かかっていること,血清,髄液中からIFNが検出されなかったこと,IFN中止後も健忘症状が悪化したことなどから,IFNの中枢神経毒性はIFNの間接的作用が疑われた。SPECTでの左頭頂葉の血流低下は構成障害と,右側頭葉の血流増加は軽躁状態と関連していると考えられた。健忘症状から軽躁状態への移行はWieckの通過症候群に合致した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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