icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻6号

1996年06月発行

短報

うつ病相と躁病相に一致して口部不随意運動が出現した躁うつ病の1例

著者: 森則夫12 小薗江浩一1 鈴木勝昭1 岩田泰秀1

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神科 2現,浜松医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.635 - P.637

文献概要

 口部不随意運動は様々な病態のもとで出現する。よく知られているのは抗精神病薬の慢性投与による遅発性ジスキネジアと,加齢に伴う,いわゆる老人性ジスキネジアである1,3,5,6)。この2つは症候学的にはほぼ同一であり,一般に精神的緊張で増強し,発語,咀しゃくなどの随意運動時に軽減することが知られている1)。先に大月ら4)は,うつ病相にほぼ一致して口部不随意運動が増悪,寛解を繰り返す退行期うつ病の3例を報告した。筆者らが調べえた範囲では,その後,同様の報告はみられていない。我々はうつ病相のみならず,躁病相にも,ほぼそれらに一致して口部不随意運動が出現した躁うつ病の老年女性例を経験したので若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら