文献詳細
研究と報告
文献概要
【抄録】醜形恐怖症を主に訴える患者で長期観察が可能であった症例(5年以上,平均8.2年,最高15年)25例を検討して,その病態の本質を明確にすることを試みた。結果,感情障害,適応障害,狭義の強迫状態,対人恐怖症,中核群とみなされる狭義の醜形恐怖症および精神病圏それぞれに含まれる症例が見いだされ,醜形恐怖症状は疾患特異的な症状ではないことが確認された。また各病態を他の病態から特徴づけるのは以下の項目であった。感情障害と他の病態との区別には発症年齢と抑うつ状態の合併と抗うつ薬の著効とが,適応障害および対人恐怖症と他の病態との区別には醜形恐怖症状の持続期間が,精神病圏のものと他の病態との区別には感情鈍麻の存在が重要な項目であった。
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